【バックナンバー】2024年7月10日発行 YASHIRO TIMES「牧野フライス製作所の機械 温度に関する考え方」
各種工作機械・切削機械・工場設備の
専門商社『矢代工機 株式会社』
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2024年7月10日発行 YASHIRO TIMES
「牧野フライス製作所の機械
温度に関する考え方」
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弊社は、株式会社牧野フライス製作所の
新潟県唯一の代理店です。
牧野フライス製作所について5回目の紹介です。
当たり前の話ですが、
工作機械の構造体は鉄でできています。
なかには「石」グラナイト(ミネラルキャスト)を
ベッドやコラムに採用している機械もありますが…
こちらも当たり前の話ですが、
物質は温度変化によって伸び縮みします。
鉄の場合は1℃温度が上昇すると1mで約11㎛伸びます。
10℃上昇すると約0.11mmです。
精密加工においてミクロンオーダーの精度を
要求されるところで、0.1mmは大きい数字ですね。
つまり、「高精度加工は熱変異との闘い」である
と言って過言ではありません。
【熱変異の発生要因】
・設置場所の室温
・主軸
・各軸の摺動部、ボールねじ
・加工に伴うクーラントの温度上昇
等があげられます。
各社とも熱変異に対する対策のコンセプトは様々ですが、
牧野の考えは基本的に
「機械の温度をできるだけ一定に保つ」
というコンセプトです。
■主軸の冷却には、
軸心冷却/アンダーレース潤滑方式の採用
■送り軸の冷却には、
ボールねじとモータに冷却システムを採用
■設置場所の温度に対しては、
室温の影響から遮断するため機械本体を
カバーリングする「サーマルガード」を標準化
オプションにはなりますが、
コラム内に冷却水を通して恒温化する
「コラムスタビライザー」の用意もあります。
また前回でも少しお伝えした通り、
ベッドやコラムの肉厚が場所によって
ムラが出ないよう設計されています。
※肉厚の差があると、
ヒートマスの差となり変異に偏りが出る。
以上の通り、
牧野フライス製作所の機械は、
徹底した熱変異対策が施されており、
高精度加工に圧倒的な優位性を持っているのです。
最後までお読みいただきまして、
誠にありがとうございました。